
▼ストレスの基礎知識(6)ストレスは3段階で悪化する
ストレスが悪化すると恐ろしい病気になります。しかし、ストレスを感じたからと言ってすぐに病気になるわけではありません。ストレスの症状には段階があることを知ってください。
▽ストレスには3段階ある
ストレスを受けても、イライラしているうちにいつの間にかストレスがなくなればいいのですが、ストレス状態が長引くと、心身の調子をいっそう悪くしてしまうことにもなりかねません。
ストレスは警告期→抵抗期→疲憊期へと3段階を経て進んでいきます。
早い段階で心と体の注意信号を読み取り、ストレス対策を立てるようにしましょう。
▽警告期
警告期はほとんどの人は自覚がありません。
まだ、ストレス状態が軽く、あまりストレスを受けているとは考えていない段階です。しかし、精神的には疲れていなくても体のほうは密かに以下のような信号を出しています。
「疲れた」「ちょっと体調が悪い」「血圧が上がったり下がったりする」「イライラしたり肩こりがする」「ミスが多くなったり物忘れが多い」
大部分の人はストレスの自覚がないまま、いつのまにか心の疲れがとれて体の状態も改善されますが、そのまま疲労が蓄積していくと、体調はだんだん悪くなっていきます。
▽抵抗期
抵抗期はストレスに負けまいと無理をします。
ストレスに対して心や体が反発・抵抗する時期です。ストレスを受けていることがわかっているのですが、何とかそれに負けまいとさらに無理をしてしまいます。そのため、疲労感が興奮に変わったり、逆に脱力感に陥ることがあります。この時期は…
「仕事を抱え込んだり、仕事に夢中で休まなくなる」「胃が痛んだり心臓がどきどきする」「血圧が本格的に変調を来し、血糖値も高くなる」
などの症状がでてきます。本人もストレスを受けていることに気がついていますが、病気になるはずはないと思っています。しかし、実際は、いつ本格的な病気になってもおかしくない状態です。
疲憊期
疲れきって本格的な病気に移行します
心も体も燃料がからになったようにふんばりがきかなくなり、自分の力ではどうにもならなくなる時期です。疲れきって本格的に心の病気に移行します。
「集中力がなく、物忘れが非常に激しくなる」「何事にもおっくうで何もする気がしない」「睡眠障害、食欲不振、不安、罪悪感、体重減少などの症状が現れる」「ストレス性の胃潰瘍になったり、心身症で糖尿病、高血圧、狭心症、偏頭痛などの症状が現れる」
などの重い症状が現れ、ひどくなると自殺に追い込まれることもあります。
ストレスによる心と体の状態がここまで悪化すると、もう家族や周囲の力だけではどうすることもできません。専門医による医学的治療が必要です。こうなる前に、少しでも早く危険信号をキャッチするようにしてください。